いよいよ待ちに待った、クジラウォッチングのシーズンがやってきました。
『クジラが見たい!!』『クジラのことを知りたい!!』という方のために
西オーストラリアのクジラのマメ知識をご紹介。
世界一大きな動物、クジラ。
クジラといっても種類は様々で、大きさも
4,5メートルの小さなものから、30メートルを越える大きなものまで、
現在70数種に分類されているクジラ。その中から、ここ西オーストラリアで
よく見られるのは体長16メートルのザトウクジラです。
どんなクジラかというと、よく見かけるクジラの絵を思い出してください。
お腹が白く、線が入っているクジラを見かけますよね。それがザトウクジラです。
英語で
Humpback Wheal
と言い、このHumpというのは、英語でコブという意味。その名の通り、このクジラの背びれは小さく、まるでコブの様に見えることからこの名前がつけられました。
パース周辺でこのクジラを見ることの出来る季節は、冬から初夏にかけて(9月〜11月)の約3ヶ月間。
南極海で暮らすクジラは、繁殖期にはパースよりも北の暖かい海域(シャークベイなど)へと北上し、その後また南極海へと戻ります。北上する際は岸から遠く離れた所を泳ぎ、南下するときに海岸近くを移動します。パースのあたりの海域は比較的浅く、南極海への大移動の途中、パースで休息をとります。クジラが普段生息する南極海には餌となるオキアミ(海老の小さいもの)が沢山生息しているので、1日に何トンものオキアミを食べるクジラには最適の環境なのです。
ザトウクジラはどれくらい大きいの?
クジラはどうやって息をしているの?
クジラの食事
クジラの歌
いろいろなクジラの行動
どうやってクジラを見つけるの?
クジラの現状
ザトウクジラはどれくらい大きいの?
他の生物に比べるととにかく大きい というイメージのクジラ。大人のクジラも大きいなら生まれたての赤ちゃんも大きいんです。
大人 … 体長16m(雌のほうが雄に比べ約1m大きい)体重45t
子供 … 体長4or5m 体重2t
クジラのお母さんは11ヶ月の妊娠期間の後、子供を出産。クジラは哺乳類なので、生まれたクジラの赤ちゃんは母乳を飲んで育ちます。約11ヶ月もすると子供の体調は、倍の9mにまで成長します。このクジラのミルクは、私達が普段飲んでいる牛乳と比較すると、水分が少なく、脂肪分が高いそうです。これだけ大きな体を維持するには、栄養がたっぷり入ったミルクが必要なんでしょうね。
体の特徴
このクジラは、他のクジラに比べ見分けやすいことで知られています。
背びれがコブのような形をしているのに加え、さらに特徴的なのが胸ビレです。
体調の3分の1ほどもある大きな胸ビレを持つのはこのクジラだけです。
また、一番多くの寄生虫を体につけることでも知られており、比較的ゆっくり泳ぐことから、寄生虫が付きやすいようです。
クジラはどうやって息をしているの?
クジラの息継ぎは、頭の上にある穴(ブローホール)で行われます。
よくクジラの頭から潮を噴出すシーンを見ますが、これは海水を吐き出しているわけではありません。
体の大きなクジラは、一度の呼吸で大量の空気を入れ替えるため、かなりの圧力で息を吐き出します。そのため、吐き出した息はその性質により冷やされ水蒸気となり白い霧のように見えます。この水蒸気は3mぐらいの高さまで吹き上げられ、天気の良い日には数キロはなれた場所から確認する事もできます。クジラ探しはこの白い息が大きな目印になります。
ザトウクジラはあまり深く潜ることはなく、100m以上潜ることはあまりなく、移動中は一度息継ぎをしたら、15分ぐらいは水中に潜ることができます。
クジラの食事
クジラは大きな体をしていますが、彼らの餌はオキアミという小さなえびのようなもの。この大きな体には大量のオキアミを食べなくてはいけません。
どれくらいの食事量なのかは、はっきりとは分かっていませんが、体重の4〜5%が1日の食事量と言われています。と言うことは、45tあるクジラの場合、1日の食事量は2t前後。
一度に沢山の餌を捕まえるため、ユニークな方法で餌を捕ります。
バブルネット
オキアミの群れを見つけると、クジラの噴気孔から空気を吐き出し、水中に泡のネットを作ります。このネットに囲まれたオキアミは視界が悪く目がくらまされた状態。そこへ、大きな口を開けながらクジラが泳いでいきます。
時には、尾びれで海面を叩き空気の泡を水中に作ることもあります。
これらの動作は、たいてい北半球に住むクジラに見られるものですが、西オーストラリア州のシャークベイでも何度か観察されています。
クジラの歌
ザトウクジラは歌を歌うクジラとしても良く知られています。
ウシのような、響く声で歌い、長いと数時間も歌い続けることがあります。
どうやらこの行動は大人の雄のみで、繁殖期に多く見られます。
ある日、クジラウォッチングをしていると、レスキューの船に遭遇しました。
どうやらクジラのヒレに網が引っかかっているので、それを取り外す作業をしに来ているとのことでした。その時、レスキューボートには、ハイドロホーンという、水中の音を拾う器械を積んでおり、私達がウォッチングをしているとその機械を使って、クジラの声を聞かせてくれました。
海の上ではクジラの声など全く聞こえないのですが、水中マイクを聞いてみるとず〜っと声がするのです。この海の中で何かを話しているんだな〜と不思議な感覚です。
いろいろなクジラの行動
ブリーチング
海上に反り返るようにジャンブすること。
体全部が海上に出るほどのジャンプはとても迫力があり、背中を打ち付けるようにして、大きな水しぶきを作ります。
テールスラップ・フリッパースラップ
尾びれや、胸ビレで、海面を叩く動作。何かの警告を仲間に伝えるためとも言われている。
スパイホップ
海面に目を出し、周囲を観察する行動。
潜水の合図
深く潜るときには、体を大きく傾けるため尾びれが海面から出てきます。
どうやってクジラを見つけるの?
クジラウォッチングではまず主役のクジラを見つけることが大切。
クジラの居場所を知る手掛かりは、クジラの吹き上げる潮です。クジラは呼吸をするため定期的に海面まで上がってきて潮を吹き上げるので、この一瞬を見逃さないよう水平線や遠くの海をジーっと見つめるのです。
これは遠くで見るとうっすらと煙のように見えます。が、目の悪い私にはなかなか見つけることが出来ないのです。しかし見える人には良く見える様で、目の良いオーストラリアの人は5km先のクジラを見つけることも出来るんですよ。
クジラを見るときにはルールがあり、クジラの泳ぐ道を妨げたり、近づいてクジラを脅かしてはいけません。
許可された範囲まで近づき、そこでじっと観察していると、好奇心を持っているクジラもいて船に近づいて来る時もあります。
現在のクジラ事情
第2次世界大戦後、ザトウクジラの分布・数についての研究が行われてきました。西オーストラリア周辺の状況は捕鯨がかつて行われていた頃は、クジラの数に大きな影響を与え、17000等が500等にまで減少したことがありましたが、捕鯨が禁止され、国土環境庁の調査などにより、現在はその数が回復されています。
クジラは一日に何トンもの餌を食べます。この食事量は、海の生態系を保つ重要な役割を持っています。クジラの数が減ると、クジラの餌であるオキアミや、小さな魚の数に影響をあたえ、生態系を崩すことへとつながります。